インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「お兄さんが?」

「うちの兄、警察官だから。もしかしたら元カノは私の兄が警察官だってことを知ってたから、それ以上何も仕掛けて来なかった可能性もあるけど……私がやり返せば元カノを刺激して、さらにひどい仕返しされて……ってことになりかねないでしょ?つまらない嫌がらせなんか気にせずに黙ってやり過ごすのが一番だよ」

「なるほど……」

佐和ちゃんが元カノに仕返しもせず、護身することだけを考えて、黙ってやり過ごした理由がわかった。

そうか、仕返しをすればさらに事が大きくなるというわけだ。

危ない危ない、私の性格からして、水野さんが仕返しをしに来たら倍返しにしてしまうところだった。

今後は何も起こらないことを祈りながら、黙ってやり過ごすのが最善の策だろう。

「あっ、早くしないと昼休み終わっちゃいますよ!」

アキちゃんは店内の壁掛け時計を見上げてそう言うと、慌ててコーヒーを飲み干した。

「ホントだ、急ごう」

私たちも急いでコーヒーを飲み干し、会計を済ませて店を出た。

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