インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
これはまずい。

私の体は尚史の声や息遣いにさえ反応して、二人だけの秘め事を期待している。

尚史じゃなかったらグーパンでぶん殴っているところだけど、相手が尚史ならたまにはそれもアリかもと思ってしまう自分に気付き、無性に恥ずかしくなった。

結婚しているのにこういうのも変だけど、恋をすると人はバカになるに違いない。

「俺、やっぱりキヨにオムライスの作り方習おうかなぁ」

隣でオムライスを頬張っていた尚史がポツリと呟いた。

「なんで?」

「単純にモモを喜ばせたいってのもあるけど……やっぱ他の男に負けたくない。モモは俺だけのモモだから、オムライスも俺のが一番好きだって言われたい」

尚史はキヨのオムライスにまで嫉妬して独占欲を剥き出しにするのか!

これはバカとしか言いようがない。

「左様か……精進したまえ……」

オムライスがキヨより上手に作れなくても、私の一番は尚史なんだけどな。

それでもやっぱり、私を喜ばせるために頑張ろうとしてくれていることは素直に嬉しい。

私も尚史を喜ばせたい。

尚史は私が何をしたら喜んでくれるだろう?


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