インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
尚史の膝の上に頭を乗せると、尚史は私の頭を愛しそうに優しく撫でた。

私は猫にでもなった気分で、尚史の手の心地よさに身を委ねる。

「気持ち良すぎて寝ちゃいそう……」

「そうか?じゃあ子守唄代わりに昔話でも」

「昔話?」

「帰ったら話すって約束しただろ?眠くなったら寝ていいし」

膝枕も捨てがたいけど、尚史が異性として私を好きになったきっかけとか、私と結婚したいと思った理由が気になる。

「その話はちゃんと聞きたいから、やっぱりビールにしよう」

「膝枕はもういいのか?」

「いいの、またしてもらうから」

ビールとおつまみをリビングのローテーブルに並べ、ソファーの前に二人並んで座り乾杯をした。

「私、小さい頃のこと自分が思ってたより覚えてないみたいだから、尚史の覚えてることいろいろ聞きたい」

「そうさなぁ……俺も全部覚えてるわけじゃないけど……」

尚史はさきいかの袋を開けながら少し考える。

「モモが俺と結婚するって言わなくなったのは、幼稚園に入って少し経った頃だったな。園児の間で約束とか秘密が流行ってたの覚えてないか?」

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