インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
私は全然覚えていないけれど、尚史の話によると、その当時幼稚園の年長組の園児の間では、降園後に帰宅してから一緒に遊ぶ『約束』と、好きな子が誰かを教え合う『秘密』が流行っていたそうだ。
年長組への憧れがあったのか、私は尚史に『モモはひーくんが好き。モモ、大きくなったらひーくんと結婚するの。モモとひーくんだけの秘密だから、誰にも言っちゃダメだよ』と言ったらしい。
「言っちゃダメってモモに言われたし、俺は二人だけの秘密ってのがなんかすっげぇ嬉しかったから誰にも言わなかった」
「まったく覚えてないけど……すっごい恥ずかしいね」
小さい頃の私は意外なことにおませだったようだ。
好きだとか結婚しようと私が言わなくなった理由はわかった。
大きくなるにつれて私はそんなことを言っていたことさえ忘れてしまっていたけれど、尚史はずっと覚えていたらしい。
「私は忘れてたけど、尚史は覚えてたんだね」
「覚えてたし、もちろんモモも覚えてると思ってた。小学校の途中くらいまではホントに結婚するって思ってたけど……4年のとき、近所の高校生が『小さい頃の結婚の約束なんか無効だ』って話してるの聞いて、なんだそうなのかーって。モモが俺と両想いなのかってクラスの女子に聞かれて思いきり否定してたのも、そういうことなんだなって思った」
年長組への憧れがあったのか、私は尚史に『モモはひーくんが好き。モモ、大きくなったらひーくんと結婚するの。モモとひーくんだけの秘密だから、誰にも言っちゃダメだよ』と言ったらしい。
「言っちゃダメってモモに言われたし、俺は二人だけの秘密ってのがなんかすっげぇ嬉しかったから誰にも言わなかった」
「まったく覚えてないけど……すっごい恥ずかしいね」
小さい頃の私は意外なことにおませだったようだ。
好きだとか結婚しようと私が言わなくなった理由はわかった。
大きくなるにつれて私はそんなことを言っていたことさえ忘れてしまっていたけれど、尚史はずっと覚えていたらしい。
「私は忘れてたけど、尚史は覚えてたんだね」
「覚えてたし、もちろんモモも覚えてると思ってた。小学校の途中くらいまではホントに結婚するって思ってたけど……4年のとき、近所の高校生が『小さい頃の結婚の約束なんか無効だ』って話してるの聞いて、なんだそうなのかーって。モモが俺と両想いなのかってクラスの女子に聞かれて思いきり否定してたのも、そういうことなんだなって思った」