インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「やっぱり触ったの?」

「胸とか尻とかじゃなくて、ほっぺたをな。起こさないようにそーっと触ったら、すっげぇすべすべで柔らかくて、なんか身体中が熱くなって、他の男には触らせたくないなって……もっと触りたいって思った」

それは恋愛感情ではなくて、ただ単に性的に興奮しただけなのでは?

私はその話だけでは尚史の『好き』の基準がいまいちわからず、思いきり首をかしげた。

「それ、私じゃなくて別の女の子でもそう思ったんじゃない?」

「まぁ……そう思われてもしかたないか。とにかく興奮してテンパって、このままじゃ寝込みを襲いかねんと思ったから、トイレに行ってこっそり自己処理ってやつを初めてしたしな。でも俺は触りたいとか独占したいとか、そんな風に思ったのはそのときが……モモが初めてだったんだ。エロいことしたいだけなら、たぶん告白してきた誰かと適当に付き合ってやってたと思う」

私を好きだと自覚したエピソードは性的な要素があまりにも大きすぎる気がするけど、私だって好きじゃない人とキスしたいとか触れ合いたいとは思わないから、尚史の言い分もわからなくはない。

多感な中学生男子の恋愛感情なんてそんなものか?

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