インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
翌日、仕事を終えた私と尚史は駅のそばの本屋で待ち合わせをした。
いつもならビルのエレベーターホールの先で待ち合わせるのに、なぜ会社から少し離れた場所で待ち合わせるのかと尋ねると、『八坂さんとの鉢合わせを防ぐため』と尚史は言っていた。
なんでも、『二人でいるところを偶然八坂さんに見られたら、モモが俺と八坂さんを二股していると誤解されかねないから』だそうだ。
それを聞いてなるほどと納得したし、尚史にもそんな細やかな配慮ができるのだと少し驚いた。
私が本屋に着くと、尚史は店内に入ってすぐのところにある平積みにされたベストセラー小説を手に取っていた。
「お待たせ」
「ああ……俺も今さっき来たとこ」
「尚史もこんなの読むの?」
「いや、読まない。けど、ボーッと突っ立ってるのも変だと思って」
なるほど、これは本を買いに来た人っぽく見せるためのポーズということか。
だったら何も興味のない本の売り場の前にいなくても、好きなゲーム雑誌でも立ち読みしていれば良かったのに。
「ゲーム雑誌でも見てく?」
「今日はいい、また今度一人で来たときにする」
いつもならビルのエレベーターホールの先で待ち合わせるのに、なぜ会社から少し離れた場所で待ち合わせるのかと尋ねると、『八坂さんとの鉢合わせを防ぐため』と尚史は言っていた。
なんでも、『二人でいるところを偶然八坂さんに見られたら、モモが俺と八坂さんを二股していると誤解されかねないから』だそうだ。
それを聞いてなるほどと納得したし、尚史にもそんな細やかな配慮ができるのだと少し驚いた。
私が本屋に着くと、尚史は店内に入ってすぐのところにある平積みにされたベストセラー小説を手に取っていた。
「お待たせ」
「ああ……俺も今さっき来たとこ」
「尚史もこんなの読むの?」
「いや、読まない。けど、ボーッと突っ立ってるのも変だと思って」
なるほど、これは本を買いに来た人っぽく見せるためのポーズということか。
だったら何も興味のない本の売り場の前にいなくても、好きなゲーム雑誌でも立ち読みしていれば良かったのに。
「ゲーム雑誌でも見てく?」
「今日はいい、また今度一人で来たときにする」