インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
ああ……そうか、なるほど。

八坂さんは尚史や私の周りにいるゲーム仲間の男の人たちとは真逆のタイプだから、一緒にいると余計に落ち着かないのか。

とは言え、八坂さんに『私が緊張しないように猫背でボソボソしゃべってください』とは言えない。

やっぱり私が慣れるしかないだろう。

私がそんなことを考えているうちに二人分の飲み物をグラスに注いで席に戻ってきた尚史は、私にアイスミルクティーを差し出した。

「ほい」

「ありがと」

さすがは幼馴染みだ。

何も言わなくても、尚史は私がいつもドリンクバーで最初に選ぶ飲み物まで把握している。

「ドリンクバーがタッチパネルの機械に変わってた。ジュース2種類混ぜたやつ選んでボタン押せば、機械が勝手に作ってくれるらしい」

「へぇ、親切な機械だね」

そこで会話が途切れ、二人とも黙って飲み物を飲み始める。

二人でいるときって、いつも何話してたっけ?

尚史は元々あまりおしゃべりな方ではないから、ゲームをしていないときは自然と口数が少なくなる。

そんなのはいつものことだし、私はこのままずっと黙って料理を待っていても別に苦痛ではないけれど、それだとゲームもせずに向かい合っている意味があまりないように思う。

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