インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「モモのミルクティーは氷少なめにしてたし溶けてなくなってたから、俺のコーラから取ったやつだけど」

「うん、それもわかってるけど、そうじゃなくて……尚史、今私に『あーん♡』ってやつやったよね?」

「ん?ああ……『あーん♡』とは言ってないけど、そうなるかな」

なんだこいつ?!

そんなリア充イケメンみたいなことを意識せずにサラッとできるなんて、ホントに恋愛初心者なのか?

普通ならそこは冷たい水とか、私の飲み物を渡すと思うんだけど!

「……尚史、そんなことできるんだね」

「できるって言うか……モモがあんまり熱そうだったから」

「……それはかたじけない」

幼馴染みだからなんの抵抗もなく世話を焼くのか、私はものすごく恥ずかしくなったと言うのに、どうやら尚史にとってはそこに深い意味なんてなさそうだ。

あまり深く考えるのはやめておこう。


火傷の痛みをこらえつつなんとか食事を済ませ、今週末の計画を立てることにした。

できるだけ早く結婚するためには、来週の土曜日の八坂さんとのデートまでに少しでも多くの経験値を積む必要がある。

すなわちそれまでの1週間は尚史と毎日一緒にいると言うことだ。

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