雨上がりの恋
「出ねぇの?」

と不思議そうな視線を投げかけてくる頼人。

「いや…うん出るよ。」

そう答えてから、まだ切れそうもない電話に出た。

「…はい。」

『あ!美優?お母さんだけどね、もう荷物届いた頃かと思って。』

電話の向こうから聞こえた母の声は、私のものとは対象的にテンションも高くとても弾んだ声だった。

「あ…うん。ちょうど今届いたところで、私も後で電話しようと思ってところ。今回もたくさん送ってくれてありがとね、お母さん。」

『あなたの好きな梅酒、今年の出来は去年以上だから。』

「そうなの?じゃあ、今夜あたり早速飲んじゃおうかな。」

『ふふ、飲みすぎないようにね。』

「うん、分かってるよ。」

そんなことを話していたら、いきなり母が言った。

『あ!そうそう。今回お母さんウッカリしてて大事なものを入れるの忘れちゃったのよ。』
< 58 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop