雨上がりの恋
箱の中身を思い返してみても、私にとってメインの梅酒や梅干しもあったし、思い当たるものは何もないけど。

一体、母は何を入れ忘れたのだろう?

『まぁ…何?って聞かれると、そんなに大したものでもないんだけどね』

って、一体どっちなの。

でも母の口ぶりからするときっと、大したものではない気がした。

その時、またインターフォンが鳴った。

今日は立て続けに誰?

「ちょっと待って。誰か来た…み……」

電話の向こうの母にそう言いながら、インターフォンのカメラに映るその人物を見て絶句した。

『直接持ってきちゃった。いるんでしょう、早く開けて~。』

電話口から母のハイテンションな声が聞こえ、動揺のあまり思わず通話を切ってしまった。
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