雨上がりの恋
休日にしたら、まだ早朝と言えなくもないこの時間。

そんな時間から娘の部屋にいた得体の知れない男。

そんな雰囲気を微塵も感じさせないのは流石だと思った。

それどころか、挨拶だけで既に母のハートを掴んでしまった。

「櫻田…頼人くん…?」

更に上がったソプラノ限界とも思えるその声で、頼人のフルネームを復唱するように口にした母。

「はい。」

「どこかで、聞いたことがあるような気が…。えーと、どこだったかしら…」

母が必死に何かを思い出そうと、首を傾げている。

これは本当にヤバい。

母がこのまま頼人のことを思い出し、余計なことでも口走ったりしたら最悪過ぎる。
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