未来の約束
悪いのは、あたしじゃない。

なのに、なんであたしが叩かれなきゃイケないの?

「あたしばっかり、理不尽だ」と嘆き、あたしはその日からお母さんと口を聞かなくなった。

そして美香さんが亡くなり、お父さんとお母さんが2人で話してるところを偶然聞いてしまった。


『どうして、美香なの?』


哀しみの中、お母さんはそんなことを口にした。

美香さんじゃなく、あたしなら良かった?

嘲笑うように、次の言葉に耳を傾ける。


『美香は幸せだったと思うぞ。母さんから愛されて、好きな人とも結婚できて・・・だからこれからは、美香の分も美和との時間を大切にしよう』

『・・・無理よ。あの子は、私のことを拒絶してるもの。それに・・・自由に、好きなように生きてるあの子見てると、どうしても美香と比べてしまう』

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