未来の約束
「再発、してるんでしょ?」

「・・・あぁ」


覚悟はしていたが、実際告げられると気持ちは沈む。


「大丈夫か?」

「大丈夫ではないけど、昔よりはマシ」


昔と違って、あの頃のような失望感はない。


「そうか。・・・彼には、伝えないのか?」

「伝えない。でも、予告はしてきた。もし再発してたら、連絡できないって。それと、1年だけ猶予をもらってきた」

「猶予?」


樋口の言葉に、あたしは頷く。


「どこまで(病気が)進行してるかわからないけど、1年だけ夢を見てみようと思って。だから、柄にもなく「待ってて」って言ってきた。ねぇ、樋口。あたしの夢、叶うかな?」

「叶えられるように、手を尽くす」


医者として答えてくれた樋口に、あたしは小さな笑みを浮かべた。


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