世界No.1の総長と一輪の花









「花!!!!!俺の花!!!!!」




冬樹くんに抱きしめられる私。




最近私は「帰る時は裏門から」と言われていたため裏門から出るようにしていた。でも、今日は…ぼーっとしていたら正門から間違って出てしまった。




冬樹くんと私を会わせないためにそう詩優は言ってたんだ……




「………冬樹…くんっ…」

「花、全部……花と離れた2年間のこと、全部聞いた」





「……っ…」

「花、俺の家で一緒に暮らそう。暴走族なんてのに関わるな。花はこっちの世界に来るべきじゃない」





以前の私なら絶対にすぐ断った。でも、今すぐ断れなかったのはきっと詩優のせい。




「……」

「花…残念だけど時間だ。俺を選んでくれるのであればこのスマホから連絡して。俺のもう一個のスマホに連絡できるから」




耳元でそっと言われて、私のブレザーのポケットの中にスマホを入れられた。




「愛してるよ、花」




冬樹くんは私の体を離して最後にそう言ってから私の頬にキスを1回。



…!?



突然の出来事に顔が熱くなる。




近くに止めてあった黒いバイクに跨って、冬樹くんは去って行った。








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