世界No.1の総長と一輪の花
「………」
唖然としている冬樹くん。
「……ご、ごめ……」
もう昔の私はいないんだと実感させられる。昔は冬樹くんと手を繋いでも何も思わなかったのに…
「…俺の方こそごめんな、花」
「……ううん」
その後はお互い口を噤む。気まづい雰囲気の中、タクシーが止まった。
「ーーーー円です」
タクシーの運転手さんにお金を払う冬樹くん。
「わ、私も払う…!」
「大丈夫だよ、花は。俺が勝手に連れてきただけだから」
私が鞄の中からお財布を取り出した時にはもう払い終えてしまったあと。
バイトはしてないけど少なからずお金なら持っているのに……
詩優の時もそうだ。絶対に私にお金を払わせてくれない……
今まで貯めたお金ならあるのに…
半ば強引にタクシーからおろされて、やって来たのは白い大きな家の前。