世界No.1の総長と一輪の花
表札には『榊』とかかれている。
…冬樹くんの家?
"俺の家で一緒に暮らそう"
以前そう言われたことを思い出した。
私は鞄の中から冬樹くんから預かったスマホを取り出して、「返す」と言ったから手渡した。
冬樹くんの言葉は嬉しかったけど……やっぱり私には詩優しかいないんだ。
詩優と一緒にいたいんだ…
「…花、落ち着いて聞いて」
真剣な表情の冬樹くん。ドクドクと心臓が嫌な音を立てる。
冬樹くんの次の言葉を聞きたいような、聞きたくないような………
「……な、に」
冬樹くんは私を真っ直ぐ見つめて、大きく息を吸う。
「花のお母さんが生きてる」