W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
疑問に思いながらも、一息ついてテーブルの上を片付け、朝ごはんの支度をする。

今日は、さっきのごたごたで時間もないからオムレツと、ウィンナー、レタスとトマトのスープにご飯。
オムレツはきれいに閉じられるのが自慢だったけど、今日は動揺してるのか失敗してしまって、急きょスクランブルエッグにする。とろけるチーズを掛けて誤魔化した。

出来上がっておかずをテーブルに置き、ご飯をよそっていると、二人とも戻ってきた。

「お、何?朝ごはん?梗、お前、秘書にご飯作ってもらってんの?」

「あ、ああ」

後ろを向いてご飯をよそってるから声だけ聞こえる。
今日は言葉少なな梗月。ほぼ「ああ」しか言っていない。
二人分のご飯をお盆に乗せて持っていくと、既に二人はダイニングに座っていた。
ん?いつもと違う座り位置に疑問に思いながら、お茶わんを置いた。

「冷めないうちにどうぞ」

向かって左側の肘をテーブルにかけ手を組んでにこにこと静香を見る涼月。
右側の手を膝に置いてお茶椀を凝視している梗月。

「梗月さん、どうかしました?」

静香の声にハッとして顔を上げる梗月。

「静香くん、なんで茶碗…」

「お茶碗?」

何がおかしいのだろう?梗月愛用の藍色のお茶碗なんだけど?
涼月にはお客様用の白いお茶碗を出している。

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