W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
午後8時

残業をして帰宅の準備をしていると、ノックもなくガチャと扉が開いた。

「静香ちゃん、もう帰る?俺も帰るんだけど車出して?」

入って来たとたんニコニコと話かけてくる涼月。
呆れながらも断る理由も無いからOKする。

「はい。いいですけど、どこのホテルですか?」

「何言ってるの?梗の家に決まってるじゃん」

「え?まさか、監査の間ずっと梗月さんの家に泊まるんですか?」

「そうだよ?兄弟の家に泊まるのは普通でしょ?経費の節約にもなるし」

「はあ、そうですか…」

涼月は腰に手をやり当然って顔をしている。
ということは毎朝二人を起こしに行って3人で出勤?
それはまた周りからやっかみが来そうだ…。
明日からのことを思ってちょっと憂鬱になっていると、社長室から梗月が出て来た。

「お、梗、帰ろーぜ」

「……」

涼月に肩を組まれちょっと嫌そうな顔をする梗月。そっくりな二人が近づいてキレイな顔が並ぶと圧巻。神々しいオーラが見える。

しゃ、写真撮りたい…。
見とれていると、出て行こうとする涼月に呼ばれる。

「静香ちゃん何してるの。ほら、帰るよ」

「あ、はい!」

思わずぼーっとしてしまって、二人に置いてかれそうになる。パタパタと急いで後を追った。

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