年下の部下がぐいぐい押してくるんだけど!?
「すまん」

ごくごくと喉を鳴らして一気にジョッキに残っていたビールを飲み干すと、大宮はため息ともつかない息を長く吐き出した。

「……俺。
一目惚れだったんです」

「は?
誰に?」

「柏原課長に。
っていっても、きっと覚えてないでしょうけど――」


……俺の通っていた高校の近く、婆ちゃんがひとりでやっている小さい文具屋があるんです。

受験が近づいてきたその日、鉛筆買いに行ったら若い女の人が店内の大掃除しているんですよ。
婆ちゃんと楽しそうに話しながら。

で、俺に気付いて「いらっしゃいませー」って。

その笑顔にどきってなりました。

それで鉛筆選んでいたら、「受験生?」って後ろから声かけられて。
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