年下の部下がぐいぐい押してくるんだけど!?
「もう終電、終わってますよ」

そっと手を重ねられただけで肩が跳ねる。
なのにその手は指を絡めて握ってきた。

「……留美(るみ)」

耳にかかる吐息に、ぞわぞわとした感覚が身体中に広がる。

それは決して、不快ではなくて。

ゆっくりと近づいてきた顔に、間抜けにも眼鏡かけたままキスなんてできるんだろうか、とか考えながら見つめていた。

それに気がついたのか、大宮は唇がふれる寸前で顔を離した。

「留美、目、閉じて」

苦笑いをして、繋いでいない方の手で優しくあたまにふれ、瞼に口付けを落としてくる。

目を閉じると今度は……唇に柔らかい感触。

ただ、それだけなのに包まれる幸福感。

……恋ってこんなに幸せなんだ。

初めて知る、幸せ。
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