うさぎに罪はないがうさぎ好きな彼は罪深い
当然、一緒にごはんを食べるべくきていた同僚たちは逃げていく。
お昼時で、人で一杯の食堂だけど、何故か私たちのまわりだけ避けられていた。

「ほら、さ。
いっつもうーたんの画像だけだろ?
だからうーたんに会ってほししいっていうか」

「はあ」

「それに……ご褒美の件もあるし」

にやっ、と口もとだけで斉藤さんが笑う。
おかげで変な約束をしたのを思いだした。
あの件は忘れていたのに。

「ダメ……かな」

ちら、ちらっと、眼鏡の奥から斉藤さんがうかがってくる。

……ううっ。
ダメなんですよ、その淋しそうな顔。

「いい、です、よ」

「ほんと!?」
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