うさぎに罪はないがうさぎ好きな彼は罪深い
ぱーっと斉藤さんの顔に花が咲く。
そこまでうーたんの話がしたいかね。

渋々ながらも週末、おうちに伺う約束し、――当日。


「おじゃま、しまーす」

「どうぞ、あがって」

斉藤さんの部屋は完璧な斉藤さんらしく綺麗に片付けられていた。
……いや、それどころか、お手製であろうタンスに収まった、うーたんの数々の衣装に若干引く。

「これ、ケーキ買ってきたんで」

「悪いね」

視界の隅をダッシュでなにかが逃げていく。
よくよく見るとグレーと白の、耳の垂れた……うーたん、だ。

「うーたん、怖くないよー。
出ておいでー」

斉藤さんは呼んでいるが、うーたんはゲージの隅で小さくなったまま出てこない。
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