うさぎに罪はないがうさぎ好きな彼は罪深い
「だから。
僕は朝比奈さんが好きだ」

「……うーたんより?」

「うーたんより」

あの、うーたん大好きっ子の斉藤さんから、こんな言葉が出てくるのが信じられない。
これはそれだけ、私が特別ってことでいいんですか。

「……ほんとに?」

「ほんとに」

レンズの向こうから、真剣に黒い瞳が私を見ている。
その瞳に嘘はない。

……なら。

「ひとつだけ条件があります」

「なに?」

「うーたんの話、禁止、とは言いません。
でも、ちょっと控えて貰えたら」

「……善処します」
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