ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】
「動かせる?」
「う、うん。大丈夫、動く」
「たぶん、ひねっただけだと思うけど。無理はしない方がいいな」
「そそそうね」
週末の有楽町。
半端ない人たちの視線を浴びていたたまれず、早く手を放してほしくて上ずった声で答える。
「ライアン、私は平気だから、もう――」
「これは容器に入ってるから、無事だね」
中のプリンを確認したライアンは、その箱を「はい持って」と私に手渡した。
ごく自然に受け取って――次の瞬間。
「ひゃあっ!」
再び叫んだ。
彼に、さっと抱き上げられたからだ。
いわゆる、お姫様抱っこ、というやつ。
一斉に沸いた好奇のどよめきが恥ずかしすぎて、体をひねる。
「ちょ、ちょ……ライアン! おお下ろして!!」
「なんで?」
「なんでって、あ、歩けるし!」
「無理しない方がいいって言ったばっかりじゃないか」
「それはそうだけど、でででも、あのっ……」
彼の肩越し、まだ彼を未練がましく眺めてる美女2人が見える。