甘い罠に囚われて
「行き先言わないなら俺の好きにするけど?」

運転席に座るKAKERUが前を向いたまま話す。

マスクもつけたままだしどんな表情をしているのかも分からない。

「ーーじゃあ、すぐそこの駅に、」

「やだ。」

即答…

「だけど、うちは教えられない。もう……あんなの終わりにしたいから…」

そう、これでまた家を教えたならまた舞い戻ってしまう。あの先の見えない一方通行の関係に。

今度こそKAKERUが張り巡らせる蜘蛛の糸に引っ掛からないようにしなくては。

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