行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
「あんた・・・いや、西園寺さん。君を、わが社のイメージモデルにスカウトしたい」

「イメージモデル!?」

さくら以上に反応したのは桃子だった。

「ああ、今度新開発した微炭酸飲料水のモデルなんだが、イメージに合うモデルがいなくて、ダメもとでコスプレーヤーでも見てみるかって、この会場まで来たんだが、思わぬ拾い物だった」

「お断りします」

思わぬ即答に、驚く南條、廣瀬、そして桃子。

"何が思わぬ拾い物だよ。俺様はそんなにお安くねえっつうの!土下座して頼みやがれ"

頭の中は、すっかり俺様ドSキャラになりきっていたさくらは、そのハイテンションのまま言葉を繋いでいた。

「何が気に入らない?」

おっ?こちらも暴君キャラ健在か?

「何もかもだな」

ふんぞり返るさくらは、フフンと鼻で笑ってやった。

「西園寺さん、そう言わずに、話だけでも聞いてはくれませんか?」

執事キャラ・廣瀬のナイスアシストが炸裂する。

「廣瀬(呼び捨てはダメよね)、さんが、そこまでおっしゃるのなら話だけなら(聞いてやらなくはない)・・・」

飛び出そうになる俺様キャラを押し込めて、笑顔でさくらは廣瀬に返事をした。

不服そうな南條を見て、さくらの自尊心が満たされる。

"ああ、暴君イケメンをいじめるのって最高"

新たな趣味に目覚めそうで、さくらは少し怖くなった。



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