行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
「今日は本当にありがとう。さくらさんのお陰で波留斗さんとのわだかまりが溶けたわ」

中庭から戻ったさくらと波留斗に、優美子が優しく微笑んで言った。

「波留斗さんを宜しくお願いしますね。私も念願の娘ができそうでうれしいの」

「はい」

さくらは丁寧にお辞儀をして返した。

「それでは、僕たちはマンションへ戻ります」

しかし、優美子は波留斗の言葉に同意しながらも、何故かソワソワした様子で

「気を付けてね。そう、そう、さくらさん、今度はmirayの男性バージョンで、私とも会って下さる?とても美しくて大ファンなの」

と、さくらに歩み寄り、その手をとる。

「喜んで」

さくらの返事を聞くと

「まあ、嬉しいわ。finding southwest
fantasiaのアニメも始まったでしょう?私はアニメはこれまでは好んで見なかったのだけど、南條ビバレッジ提供とあらばと思って見たらはまってしまって・・・」

と大喜びで小さく奇声をあげた。

さくらの父に続いて、波留斗の母がアニメのmirayファンになってしまった。

「光栄です。お妃様」

さくらが、アニメのmirayのキャラボイスで囁くと、優美子が頬を染める。

「アニメの公開イベントには必ず伺うから宜しくね」

そうやってウィンクする優美子は、まるで少女のようだった。

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