果報者
「なぁ、寂しいねんけど。」






持ち物の書き出しをし続ける彼女に
ふと、本音を言ってみた。



それでも彼女は






「私も〜
だから私の代わりにぷりんくん可愛がってね。」






なんてまた冗談で返してくる。



あ、ぷりんくんっていうのは
まこが付けた熱帯魚の名前な。



寂しいのは俺だけなんやとか
もしかしてほんまに俺といるのが
嫌になっただけやったらどうしよとか



そんな事が頭をよぎるほど
まこはいつも通り、
最後の日までいつも通りのままやった。
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