不明
「我材さん、血痕とろう。」
「うん、そうよね。」
前材の意味不明な冗談を我材は冗談と受け取らず、思い立ったように引き出しから鈍器のようなものを取り出した。
「これで君を・・・」
おもむろに手を振り上げ前材の頭を見てほくそ笑んだ。
「我材さん、眼が怖い。」
二人のやり取りを目の当たりにした明が思わず呟く。
明の言葉に我に返り手を止めた。
「前材、何か相談があるのか。」
疎ましく思いすぎたからなのか前材の心を見透してしまったようだ。

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