現実主義の伯爵令嬢はお伽話のプリンセスと同じ轍は踏まない
継母とずっと暮らし続けるのは辛い。でも家柄・財産共にただでさえ冴えない我が家で、父が病床にあるのでは良い縁談も望めそうにない。好きな人も結婚に対する憧れもないグレースがその現状を打破するために考えたのは、自分が経済的に自立する事だった。

まだまだ数は少ないが、最近ではレディでも働いている人もいる。働いて給料をもらえば経済的に自立できるし、たとえ同じ家に住んでいても継母に文句を言われる事は減るだろう。いずれ弟のウィルターが父の後を継いだ時も、厄介者にならずに済む。

問題は働き口なのだ。品位を失わずレディが働けるのは王宮かガヴァネスと呼ばれる家庭教師くらい。さばさばとした、令嬢としてはさばけた性格のグレースには王宮は堅苦しいし、家庭教師では受け持った子供が大きくなるたびに就職活動をしなければいけない。

探しまわった末に見つけたのが、王立図書館の司書という仕事だった。
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