現実主義の伯爵令嬢はお伽話のプリンセスと同じ轍は踏まない
「そうだったの……」
「正直、このまま、君が誤解したまま、それを利用して結婚まで持ち込んじゃおうとも思ってたんだ。でも、こないだカーライル子爵の勝手な言い草聞いてさ。あーこれじゃ僕もこの屑野郎と同じだなぁって反省したんだ。ちゃんと真実を話して、グレースが理解した上で結婚しなきゃダメだって。嘘も誤解もない状態で受け入れて貰わなきゃ君を幸せに出来ないって。だからさ、今日は怒られるの覚悟で全部話そうと思ったんだ。ね、許してくれる?こんな僕と結婚するのやめないでくれる?」
そう言ったヴェネディクトの顔は強張って瞳は不安で揺れている。小さな頃、悪戯が見つかってグレースに謝りに来た時と同じ、許しが欲しいと願ってやまない表情だ。
それを見て、驚きでいっぱいだったはずなのにグレースは思わず「ふふっ」と笑い声を漏らした。
「正直、このまま、君が誤解したまま、それを利用して結婚まで持ち込んじゃおうとも思ってたんだ。でも、こないだカーライル子爵の勝手な言い草聞いてさ。あーこれじゃ僕もこの屑野郎と同じだなぁって反省したんだ。ちゃんと真実を話して、グレースが理解した上で結婚しなきゃダメだって。嘘も誤解もない状態で受け入れて貰わなきゃ君を幸せに出来ないって。だからさ、今日は怒られるの覚悟で全部話そうと思ったんだ。ね、許してくれる?こんな僕と結婚するのやめないでくれる?」
そう言ったヴェネディクトの顔は強張って瞳は不安で揺れている。小さな頃、悪戯が見つかってグレースに謝りに来た時と同じ、許しが欲しいと願ってやまない表情だ。
それを見て、驚きでいっぱいだったはずなのにグレースは思わず「ふふっ」と笑い声を漏らした。