運命だけを信じてる

ひとり残された個室で、大袈裟に溜息をつく。

無性に疲れた。


金髪に染めた新入社員。
その日会ったばかりの私におかしな発言をして、とにかくよく分からない人だ。


ーー結婚?

ありえない。
もういいや、忘れよう。


何事もなかったように振る舞い、計画的に彼の指導を進めることが教育係の使命だ。
引き受けた以上は社会人として投げ出すことは許されない。ましてあの人に任されたことだから、意地でも続けないと。


ビールのお代わりを注文して、締めのデザートも堪能した。



明日からも彼に振り回される自分が想像できて、気分は憂鬱だった。
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