運命だけを信じてる

ワイシャツ越しに掴んだ腕は少しも動かず、彼の意地を感じた。


「キスしても?」


「無理。退いてください」


「キスしたら、すぐに離れます」


「遊びなら他所でやってくれません?」


小牧さんはプレーボーイなのかも。
ただ欲求をどうして私なんかで満たそうとするのかは謎だ。その容姿なら黙っていても女の子が集まってくるというのに。


ああ、すぐになびくような女の子ではつまらないとか?



「遊びでないです。前山さんが良いんです」


そうか。落ちないから、落としたくなる。
モテる男にしか分からない心境なんだ。
私には到底理解できないけど、それで解放されるなら。


「1度だけなら、いいよ」


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