運命だけを信じてる

答えない私に小牧さんはため息をつき、近くの自販機で暖かいミルクティーを買ってくれた。


「それで手を温めてください」


「ありがとうございます」


熱いくらいのミルクティーを渡されて、それだけで待っていた甲斐があったと思ってしまった。我ながら単純だ。


「小牧さんはこれから同期と飲み会ですか?」


「ええ、まぁ」


「楽しんで来てくださいね」


「はい」


淡々とした返事だ。
飲み過ぎないでくださいね、という先輩としての忠告は彼には必要ないだろう。


「それじゃぁ、また明日。ミルクティー、本当にありがとうございました」


頭を下げて、背を向ける。


言いたいことがあって、待っていた。

クリスマスの予定について聞きたかったけれど、もう少し雑談を交えて気軽な感じで質問したい。


今夜はやめておこう。

はぁ…。
臆病者の恋は、いつだって後回しだ。

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