神志名社長と同居生活はじめました
「木月! 隠れて!」
突然、松崎さんから腕を引っ張られ、エントランスに置いてある大きな観葉植物の陰に二人で身を潜めることを強要された。
はたから見たら私達は完全に不審者だと思う。これ、通報されない? と心配になる。
「何なんですか、松崎さん」
「何もこうもないでしょ! 社長と一緒にいるあの女、気にならないの?」
「それは……」
勿論、気になりますけど。
そうは思うけど、なかなか口には出来ない。
それに……普段働かない女の勘というやつが、こんなところで働いてしまった。
相手の女性は、社員証を付けていないからうちの社員ではないし、恐らくーー。
「……まさかあれが、社長の婚約者?」
松崎さんに小声で尋ねられ、何の根拠もないけれど「……そうかも」と答える。
それにしても、本当に綺麗な女性。
背も高くて、足も長くて、赤いハイヒールがよく似合う……。
私とは、正反対の女性……。
しばらくすると、社長達は二人でビルを出ていった。
手を繋いだり肩を組んだりはしていなかったけれど、仲睦まじそうに見えた……。
社長にも、私以外に仲良く話すような女性がいるんだ。って、当然だよね。私だけのはずがない……。
「木月? 大丈夫?」
「あ、は、はい」
「ごめんね。社長のことが何か分かればと思ったんだけど……。私達も戻ろう」
松崎さんにそう言われ、私も素直に頷いた……。
突然、松崎さんから腕を引っ張られ、エントランスに置いてある大きな観葉植物の陰に二人で身を潜めることを強要された。
はたから見たら私達は完全に不審者だと思う。これ、通報されない? と心配になる。
「何なんですか、松崎さん」
「何もこうもないでしょ! 社長と一緒にいるあの女、気にならないの?」
「それは……」
勿論、気になりますけど。
そうは思うけど、なかなか口には出来ない。
それに……普段働かない女の勘というやつが、こんなところで働いてしまった。
相手の女性は、社員証を付けていないからうちの社員ではないし、恐らくーー。
「……まさかあれが、社長の婚約者?」
松崎さんに小声で尋ねられ、何の根拠もないけれど「……そうかも」と答える。
それにしても、本当に綺麗な女性。
背も高くて、足も長くて、赤いハイヒールがよく似合う……。
私とは、正反対の女性……。
しばらくすると、社長達は二人でビルを出ていった。
手を繋いだり肩を組んだりはしていなかったけれど、仲睦まじそうに見えた……。
社長にも、私以外に仲良く話すような女性がいるんだ。って、当然だよね。私だけのはずがない……。
「木月? 大丈夫?」
「あ、は、はい」
「ごめんね。社長のことが何か分かればと思ったんだけど……。私達も戻ろう」
松崎さんにそう言われ、私も素直に頷いた……。