神志名社長と同居生活はじめました
数日後。
私は中城さんに会いに秘書室を訪れた。
社長にお願いして、アポを取っていただいた。
「さあさあどうぞ、座って。コーヒーでいいかな?」
中城さんの様子に、特に変わりはない。
初めて会った時みたいに、にこにこ笑って、どこか飄々としている。
でも、私みたいな一般社員が社長秘書の中城さんを訪ねるなんて普通はまずないことーーそれも社長にアポを取ってもらった時点で、中城さんからしても私の用件はほぼ分かっていると思う。
「どうぞお構いなく……。あの、先日中城さんとお話しした件についてなのですが……」
私がそう言うと、彼はコーヒーを淹れてくれていた手を一瞬止め、何でもないように振り返る。
「何のこと?」
彼にとっては、あまり話したくないことなのかもしれない。
でも、逃げる訳にはいかない。
「神志名社長には婚約者がいるというお話です。
実際は、婚約者ではなく元恋人という関係でした。
中城さんなら、知らなかったはずないです。
何故、私にあんな嘘を吐いたんですか?」
決して、責め立てる為に話をしにきた訳じゃない。私が言いたいことは、
「私、社長と真剣にお付き合いをしています……。
結婚も、いつかはさせていただきたいと思っています」
ソファから立ち上がって、中城さんの目を正面から見据え、私の精一杯の気持ちを伝えた。
私は中城さんに会いに秘書室を訪れた。
社長にお願いして、アポを取っていただいた。
「さあさあどうぞ、座って。コーヒーでいいかな?」
中城さんの様子に、特に変わりはない。
初めて会った時みたいに、にこにこ笑って、どこか飄々としている。
でも、私みたいな一般社員が社長秘書の中城さんを訪ねるなんて普通はまずないことーーそれも社長にアポを取ってもらった時点で、中城さんからしても私の用件はほぼ分かっていると思う。
「どうぞお構いなく……。あの、先日中城さんとお話しした件についてなのですが……」
私がそう言うと、彼はコーヒーを淹れてくれていた手を一瞬止め、何でもないように振り返る。
「何のこと?」
彼にとっては、あまり話したくないことなのかもしれない。
でも、逃げる訳にはいかない。
「神志名社長には婚約者がいるというお話です。
実際は、婚約者ではなく元恋人という関係でした。
中城さんなら、知らなかったはずないです。
何故、私にあんな嘘を吐いたんですか?」
決して、責め立てる為に話をしにきた訳じゃない。私が言いたいことは、
「私、社長と真剣にお付き合いをしています……。
結婚も、いつかはさせていただきたいと思っています」
ソファから立ち上がって、中城さんの目を正面から見据え、私の精一杯の気持ちを伝えた。