神志名社長と同居生活はじめました



その後、どうやって家に帰ってきたかはちゃんと覚えていない。
そのくらい頭の中がぐちゃぐちゃで、玄関の扉を閉めた瞬間に、今まで我慢していた涙が溢れてきた。

部屋まで行く気力もなく、靴を履いたままその場にしゃがみ込み、とにかく泣いた。



ーー『俺、木月の真面目で優しいところが凄い好きなんだ。俺と付き合ってください』


二年前、真剣な顔付きでそう告白してくれた尚のことが頭に浮かぶ。
尚との思い出が、全部が嘘だったと思ってる訳じゃない。でも、じゃあいつから? いつから私は尚にウザいと思われていた?


……だけど。私にも原因があるとは言え、こんな終わりはあんまりだ。



携帯を見ると、ソーシャル・ピクシーの公式ブログの【注目記事】というトピックスが目に入る。


【今日のトップ記事:間瀬 涼音、恋人紹介! お相手は一般会社員のMさん】



「はは……」

泣いているはずなのに、笑いが出てきた。
尚は覚えていたかな? 今日はいつもの十五日とは少し違ったってこと……。


今日は、私の誕生日だってこと。
< 22 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop