神志名社長と同居生活はじめました
「どうしたの? ついさっきメッセージ見たけど、とっくに仕事終わってたはずじゃあ?」
その表情はいつもの無表情なのだけれど、心なしか、僅かに驚いているようにも、見えなくない。
社長の言っていることはまたにその通りで、驚かせてしまっても仕方ないし、言い分もない。
私がこうして待っていた理由をきちんと話したいのだけれど……社長の隣にいる中城さんの存在が気になり、言葉に詰まる。
すると、私の視線に気が付いたらしき中城さんが。
「ああ、俺は先に帰るから気にしなくていいよ!」
そう言って、私に笑顔を向ける。チラッと見えた八重歯が印象的だった。
「で、でも……」
「いいのいいの。社長と秘書じゃあるまいし、いちいち毎日送迎してる訳じゃないから! あっ、社長と秘書だったわ! あはは! じゃあね!」
笑顔で手を振りながら、中城さんは去っていく。
中城さんと直接話したのは初めてだったけれど、何ていうか、社長秘書の方に対してこんな表現は失礼に値するかもしれないけれど、気さくな感じの方だった。
社長と中城さんは、大学時代からの友人だと聞く。
社長がこの会社を立ち上げる時、中城さんもそれに協力してきたらしい。
先ほど中城さんの言っていた通り、社長と中城さんは〝社長と秘書〟と言うより、友人同士、という表現の方が近いのかもしれない。
そう言えば、今日社長が言ってた〝あいつ〟って、中城さんのことだったんだろうな。
「で、本当にどうした?」
中城さんの姿が見えなくなってから、社長は改めて私に向き直り、尋ねてくる。
「ええと……。直接お話ししたいことがありまして」
歯切れ悪くそう伝えると、当然「何?」と首を傾げられる。
何て伝えようかと悩んだものの、結局良い言い回しが思い浮かばず、私は思っていることをそのまま口にした。
「あのっ、私、社長と同居するのはステーキが目当てではないので!」
そう告げると、社長がぽかんとした表情で私のことをただ、見つめる。
そして私は、うっかり大きな声で〝社長と同居〟だなんてワードを発してしまったことに気付き、慌てふためき、両手で口を塞ぐ。辺りを見回すが、とっくに定時を過ぎている為か近くには誰もおらず、安堵のため息を吐いた。
そんな様子の私に、社長は……。
「……ははっ、ははは!」
と、急に笑い出す。
え、え? 社長ってこんな風に笑うの?
ていうか私、そんなに笑われるようなこと何か言った?
……それにしても、社長の笑う表情につい釘付けになってしまう。
こんな、子供みたいに無邪気な顔もするんだって思ったら、何故か安心した。社長をより身近に感じた気もする。
その表情はいつもの無表情なのだけれど、心なしか、僅かに驚いているようにも、見えなくない。
社長の言っていることはまたにその通りで、驚かせてしまっても仕方ないし、言い分もない。
私がこうして待っていた理由をきちんと話したいのだけれど……社長の隣にいる中城さんの存在が気になり、言葉に詰まる。
すると、私の視線に気が付いたらしき中城さんが。
「ああ、俺は先に帰るから気にしなくていいよ!」
そう言って、私に笑顔を向ける。チラッと見えた八重歯が印象的だった。
「で、でも……」
「いいのいいの。社長と秘書じゃあるまいし、いちいち毎日送迎してる訳じゃないから! あっ、社長と秘書だったわ! あはは! じゃあね!」
笑顔で手を振りながら、中城さんは去っていく。
中城さんと直接話したのは初めてだったけれど、何ていうか、社長秘書の方に対してこんな表現は失礼に値するかもしれないけれど、気さくな感じの方だった。
社長と中城さんは、大学時代からの友人だと聞く。
社長がこの会社を立ち上げる時、中城さんもそれに協力してきたらしい。
先ほど中城さんの言っていた通り、社長と中城さんは〝社長と秘書〟と言うより、友人同士、という表現の方が近いのかもしれない。
そう言えば、今日社長が言ってた〝あいつ〟って、中城さんのことだったんだろうな。
「で、本当にどうした?」
中城さんの姿が見えなくなってから、社長は改めて私に向き直り、尋ねてくる。
「ええと……。直接お話ししたいことがありまして」
歯切れ悪くそう伝えると、当然「何?」と首を傾げられる。
何て伝えようかと悩んだものの、結局良い言い回しが思い浮かばず、私は思っていることをそのまま口にした。
「あのっ、私、社長と同居するのはステーキが目当てではないので!」
そう告げると、社長がぽかんとした表情で私のことをただ、見つめる。
そして私は、うっかり大きな声で〝社長と同居〟だなんてワードを発してしまったことに気付き、慌てふためき、両手で口を塞ぐ。辺りを見回すが、とっくに定時を過ぎている為か近くには誰もおらず、安堵のため息を吐いた。
そんな様子の私に、社長は……。
「……ははっ、ははは!」
と、急に笑い出す。
え、え? 社長ってこんな風に笑うの?
ていうか私、そんなに笑われるようなこと何か言った?
……それにしても、社長の笑う表情につい釘付けになってしまう。
こんな、子供みたいに無邪気な顔もするんだって思ったら、何故か安心した。社長をより身近に感じた気もする。