神志名社長と同居生活はじめました
「あの、社長……?」

「はあ、久し振りにこんなに笑った。ほんと面白い。
……でも、面白いだけじゃなくて優しい子なんだよね、君は。
本当に好きになってしまいそうだ」


ドキン! と心臓が勢い良く跳ねてしまった。
だって、直前まであんなに笑っていたのに、急に真剣な眼差しで見つめてくるから……。


好きになってしまいそうだなんて、冗談に決まっているのに。



「でも、そんなことを言う為にわざわざこんな時間まで残ってるのは褒められないね。ほら、もう外は真っ暗だ」

社長が指した指先は、私の背後に向けられていた。振り返ると、確かにエントランスの向こう側は真っ暗だとガラス越しに分かる。もう二十時時過ぎだから当然だけれど。



「は、はい。それじゃあ、帰りますね」


ずれかけていたショルダーストラップを肩に掛け直し、私は社長に一礼する。けれど。


「うん。帰ろうか」

そう言って、私の隣に立つ社長に思わず「え?」と聞き返してしまう。
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