神志名社長と同居生活はじめました
そして到着した遊園地。
休日なだけあって、さすがに賑わっている。


「どこから行きたい?」

「うーん、絶叫系がいいです!」

「へえ。少し意外」

「よく言われます。ジェットコースターとか大好きなんです」

「なら、そっちに行ってみようか。じゃあ、はい」


突然、社長が右手を差し出してきて、私は首を傾げる。


「もう忘れたの? 今日は一日、手を繋いでいるって言ったでしょ」

「えっ」

さっきのあれ、やっぱり冗談じゃなかったんだ。

どうしよう、嬉しいけど、油断していたから突然物凄くドキドキしてきた。


私がもじもじしていると、社長が私の左手をやや強引に掴んできた。
心臓が、ドキッッ! と大きく跳ね、そしてキュウッと締め付けられる。


「じゃあ、ジェットコースター行こうか」

いつも無表情なのに、こんな時だけ優しく微笑みかけてきて……私がこんなに胸を高鳴らせていることに、気付いてる? それとも気付いていない? どちらにしろ、悔しいなあ。


……悔しいけど、好き。
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