神志名社長と同居生活はじめました
「だから今回だって、本当は遊園地なんて行きたくなかったんだ。
でも涼音が、ブログに遊園地デートの記事を載せたいって言って聞かないから」

「そうだったんだ」

「でも、その前からあいつには徐々にストレス感じてたんだ。金遣いは荒いし、料理は出来ないし、事あるごとに〝私は芸能人だから″って偉そうにしてきて」

「あぁ、偉そうにされるのは確かに嫌よね」

「だろ!? 大体、誰があいつみたいな売れなかったアイドルに今の地位を与えてやったと思ってんだ! あいつはもっと俺達ソーシャル・ピクシーの社員に感謝すべきだと思うんだよ!
……でも、それを言ったら大喧嘩して、そのまま別れた。何か、他にも彼氏候補の男いたみたいだし」

「うーん、今の地位は本人の努力があってこそだとは思うけど……ていうか段々話が逸れていってない? えーと、つまり?」

「あ、そうそう。つまり、俺には涼音みたいなワガママなアイドルより、雅みたいな地味だけど大人しい子が合うなってこと!
だから、ヨリ戻そう!」

な……

何て勝手なことを!

尚ってこんな奴だったんだ!? フラれて正解だよ、過去の私!
ていうか、間瀬さんが偉そうとか言ってたけど、あなたも私に対して充分偉そうにしてるっての!



……と、心の内をそのままぶつけられればいいのだけれど、私の性格ではそこまでは言えなかった。


だけど、尚とは付き合えない。私には好きな人が――新しい恋人が、いるから。


それを伝える為、私ははっきりと尚に向き合う。



「尚。私ね、今好きな人がいるの」
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