Toxic(※閲覧注意)
大和と来たあの夜は、料理もお酒もため息が出るほど素晴らしくて、何もかもに酔いしれたのに。

続々と運ばれてくる色鮮やかな高級料理も、大好きなワインも、今日は何の味もしない。

たまに連絡を取っている弘美ですら、会うのは5年振り、悠子や智香は本当に高校卒業以来だ。

実はとても楽しみにしていた、懐かしいみんなとの再会。

なのに、私は正直帰りたくて仕方なかった。

それは勿論、全部あのコケシ女──アヤのせいだ。

私とアヤはテーブルのちょうど対角線上に座っていて、その距離に少しだけ安心したものの、たまに感じる彼女の視線が、気味悪くて仕方ない。

いや、それよりも。

どう見ても私のコピーをしている、気持ち悪いアヤを見ても、誰一人驚きもしなかった。

隣に座っていたシホに、それとなく聞いてみると、

「え? アヤがきょんきょん信者なのは、高校時代からだよ。持ち物とか真似してたよね」

という、予想もしなかった答えが返ってきた。

「は? アヤが私信者? ……なにそれ」

「なんか、すごく憧れてたみたい。響子ちゃんみたいになりたいなーが口癖だったよ」

憧れだから真似する? そんな子供じみたことをする年齢ではない。

それに……そんなはずないのだ。

あの子は、私のことが嫌いだった。

嫌いだったから私の鏡だって割ったし、きっと喫煙のことだってチクったのだ。

私みたいになりたい? なにそれ。

だから、私の真似をして、私の別れた男と付き合ってるって言うの?

そんなバカな話、あるわけがない。

じゃあ、他に目的が?

……わからない。

気持ち悪いから関わりたくない。

早く帰りたい、そして二度と会いたくない。
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