砂時計が止まる日
バイトがおわったのは21時半、家に帰ると22時を回っていた。
シンクには作り置きのおかずが入っていたタッパーが濡れたまま入っていた。
普段私はカフェの定休日の火曜以外はバイトに行っているし、買い出しに行く水曜以外の5日は夕食をこの時間にとっている。
お母さんはもっと遅いし、類は野球の練習に行く前に食べるから心菜も1人。
要は私たちは典型的な“孤食”の家。でも用事がなければ一緒に食べるし月1で外食に行く。
タッパーを布巾で拭く。
クラブ名が書かれたボストンバッグが力なく床に座り込んでいる。
適当に夕飯を作って食べていた。
最近はサラダばかりな気がする。
私が夕飯を食べ終わる頃、シャワーから髪の濡れた類が出てきた。
「お疲れ、類。」
私は食器を運びながら類に笑いかける。
類は私の手から食器を奪い取り、洗い始めた。
「なあ、姉ちゃん。」
聞こえた類の声はいつもの何倍も真剣だった。
声色で何かを察した。
「心菜、私と類だけにしてくれない?」
心菜はノートと筆箱を持って2階に上がっていった。