君のところまで走ってみせる
あ、柚希に連絡しといた方がいいかな。

《今日、委員会で帰り遅くなると思うから先帰っててはじめての委員会頑張りマース》

「中坂先輩」

「はぁい!!なんでしょぉぉかぁぁ!!」

「えーと、本の点検は、本にキズや汚れや落書きがないか調べていく仕事です。じゃあ、はしっこの
棚お願いできますか?」

「あ、はい!」

ん?この棚だけ?この図書室の6分の1くらいだけど
もしかしてはじめての私に気をつかってくれてるのかな…なんていい子なんだ…

この仕事…すごーい大変だな。私はこの仕事知らずにやりますと言ったけど、浜崎くんは、偉いな…

「え、浜崎くんもう終わった?その棚…」

「はい。」

「すごいなー。私半分できたよ〜。あー、飽きた」

「お疲れ様です」

「浜崎くん飽きないの?」

「僕も飽きましたよ。みんなこういう仕事は、
嘘をついてやらないんですよね。」

「そうなんだ…」

「今まで僕この仕事1人でやってました。
中坂先輩、仕事手伝ってくれてありがとうございます。」

「1人でやってたの?この仕事!」

「そうです。」

「じゃあこれから2人でやろう!1人でやらせるなんてみんなひどいなぁー。」

「…ありがとうございます。」
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