毎日、失恋。
バスで一駅のところを歩いて15分の距離。

僕に取って大切な時間。

彼女をもっと知りたい。

もちろん僕のことも知って欲しい。それで僕の事を少しでも好きに…

まぁ、それはいっか。

高橋さん、勉強出来るのにこういう事にはほんっと疎いしね。

だから一緒に過ごすうちに僕の事を好きになって欲しいとかどうでもよくなってきた。

それよりも今、僕の隣を歩く彼女が笑ってくれればいいかなって。

そんな風に思うようになっていた。

さっきだって、キッチンで母さんと高橋さんがなにやら楽しそうに話してる姿を見ていると僕まで嬉しくなった。

それだけでいいやって。

高橋さんの心から岡ちんが消えなくても…

高橋さんがこうして笑ってるなら…

誰かに対してこんな風に思うなんて初めてだった。

初めて抱いた感情。

これが人を好きになるって事か。

僕の初恋でそして初失恋。

それでも僕はーーー

彼女と過ごすこの時間を大切にしたいと思った。


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