毎日、失恋。
僕の父さんは医者だ。

けれど普通の病院勤めは自分には合わないって医療技術が十分に行き届かない国に行っては貧しい人達の医療援助を行っている。

今となればとても大変な仕事だって事も理解できるけど小さい頃はほとんど家にいない父さんの事を冷たい人間だって思ってた時期もある。

だから…そんな風に気にしてくれてたことが嬉しいようなくすぐったいような。

「ほんと素直じゃないんだから二人とも。」

「えっ、僕も?」

「そうよ。ちゃんと高橋さんと話しなさいよ。母さん、高橋さんとならいい嫁姑関係になれると思うんだけど。」

「はぁ?な、何言ってんの?あのさ、前から言おうと思ってたけど高橋さん、好きな人いるから。」

「あら、そうなの?好きな人、いるんだ…ふうん。でも、そんなの気にせず押しまくっちゃいなさい。」

「何、言ってんの。今日、特売セールだからもう行くわ。」

ったく…付き合ってらんないよ。

「告白するなら花束の一つでも用意するのよー。」

閉まりかけのドアから母さんの声が聞こえてきた。

「余計なお世話!」

っとに、おばさんってのはどうして遠慮なくデリカシーのないこと言うのかな。

まぁ、これだけの事が言えるほど回復したって事は喜ぶべきかな。

僕はニヤけた顔を引き締めると病院を出た後、いつのもスーパーに向かった。

そしてーーー

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