毎日、失恋。
「佐奈…改めて言うね?」
僕は卒業式の後、もうみんな帰った後の教室で佐奈と向き合っていた。
昨日、いつものスーパーに行ってたら佐奈がやってきて機関銃の様に話すから何事かと思ったら…
思いが通じ合う事がこんなにも心が満たされるなんて知らなかったな。
佐奈の心の中にはまだまだ岡ちんの存在が大きくあるんだって思ってたし。
だけど…岡ちんを好きだという事も全てを受け入れて彼女を好きになったんだから、例え一方通行でもそれはそれで構わないと思ってた。
最初から失恋の恋なんだからって。
でも、そんな風に思ってたのに彼女から思いもよらぬ告白を受け僕は夢を見ているかのようだった。
僕の事を好きだと言ってくれる彼女の頬にそっと触れ僕はそれを実感するかのように唇を重ねたんだ。
ただーーー
悔やまれるのはやはり佐奈に告《い》わせてしまったこと。
だからこうして、卒業式を迎えた今日、僕は改めて佐奈に告白をする。
僕の問い掛けに佐奈は頬を赤らめ伏せ目がちに頷く。
「うん…」
ああ…、マジで目の前でそんな可愛い顔されたら告白そっちのけでギュウって抱きしめたくなる。
のを、何とか堪える。