耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー

「私、れいちゃんと暮らし始めて初めて『何も我慢しなくていいんだ』って気が付いたの。毎日楽しくて幸せで……。それも全部れいちゃんのおかげ。れいちゃんが優しいから。恋人同士のことは良く分からないけど、でも、れいちゃんにされて嫌だったことなんてなんにもないよ?……たぶん、これからも。」

「ミネ……本当に?」

「うん、ほんとう。」

「俺とのキスも?嫌だったり無理したりしていませんか?」

「…うん。」

ストレートな質問に、美寧は赤くなりながらもしっかりと頷いた。

「―――嬉しいな」

一言、そう口にすると、怜はもう一度腕に力が込め、小さいけれど柔らかな体を包み込んだ。

「キスしてもいい?」

耳の縁に吐息が掛かほど近くで囁かれ、美寧は頬が赤く染まるのを感じながら、小さく頷いた。

「ありがとう」

耳の入口に唇がかすかに触れ、耳の奥に直接吹き込まれるように囁かれた。それから耳の端にちゅっと音を立ててから離れていった。

背中が甘く痺れて、腰から力が抜けそうになる。
思わず目の前のシャツをキュッと握ると、「くくっ」と笑う声がする。
怜にしては珍しく楽しげな笑い声に思わず顔を上げると、美寧の額に柔らかな感触が降ってきた。

怜の唇は額や頬に何度か音を立てながら口づけを降らせた後、そっと優しく美寧の唇をさらった。

重ねられた唇から怜の熱が伝わってくる。
背中に回された腕は優しく美寧を包み込み、ただただ美寧を怖がらせないように、そっと添えられているだけ。

美寧は、じわっと体の芯が熱くなっていくのを感じていた。

怜の腕に身を預け、ただその温もりを感じる。それだけで美寧は心が温められていくのを感じていた。

ゆるゆると力が抜けていき、何も考えられなくなる。
聞こえる音は、時々啄ばむように唇を吸われて鳴る水音と、いつもより早く鳴る鼓動だけ。
息継ぎの為に開けた唇の間から舌が差し込まれた時も、何の抵抗も感じなかった。

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