耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー


怜の朝は早い。
夜明けの早い今時分は、外が明るくなり始める頃には目を覚ます。少しの間ベッドの中でまどろんだ後、おもむろにベッドから降り、着替えを済ませて部屋を出る。

洗面所で顔を洗い一通りの身だしなみを整えると、キッチンへ向かう。
キッチンに入るとまずやかんに火をかけ、お湯が沸くまでの間に何枚かあるエプロンの中から、光沢のあるグレーのものを取り出しさっと羽織った。

(今日はミネのアルバイトの日だったな)

今日は平日。怜は大学での講義が一コマ目から入っているし、ミネは十一時から喫茶店のアルバイトに行く。

キッチンの時計に目を遣った怜は、美寧を起こす時間までの自分の行動予定をザっと組み立てた。

(今日の朝食はミネの好きな玉子サンドにしようか)

冷蔵庫から取り出した卵を鍋に入れ、水から茹でる。少し半熟気味の粗みじんが好きなミネの為に、半熟の茹で玉子を作る。多めに茹でておいて、自分の弁当と、残りは味付き玉子にしてもいい。

ミネの昼食は、アルバイトの時は賄いが出る。だから大抵夕食は和食や中華を作るようにしている。食欲が無くても食べやすい麺類も多い。

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