旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「なに言ってるんですか? それは私のセリフです。……あなたと出会えて私は幸せです」

「芽衣……」

これほど好きになれる相手と巡り合うことができてよかった。好きになったのが俊也さんで本当によかった。

涙を拭いながら、今さらながら道端で告白し合ったのが可笑しくて、ふたりして笑ってしまった。

「帰ろうか」

「……はい」

どちらからともなく手を取り、帰路に着く。

「これから忙しくなるな。結婚式に新婚旅行。それに仕事も頑張らないと」

「そうですね」

俊也さんは商品部からいなくなる。でも同じ会社だし、なにより家に帰ればいつだって一緒にいられるもの。寂しくなんてない。

むしろ私の方こそますます仕事を頑張らないと。

「いずれ俺は、父さんの後を継いで社長の席に座る。……でもなにがあっても、芽衣のことは全力で守るから。だから芽衣は俺の隣で笑っていてくれ」

そう言うと彼はギュッと手を握りしめ、真剣な瞳を私に向けた。
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